2008年01月21日

効率的な型紙を目指す

デザインやカタチを考える時に、完成したときのディティールばかりイメージして作業していき、いざ制作、となったらまったく効率よく材料を使えないパターンだった、という事があります。

でも散々あちこち削いだり、曲げたり、縮めたりをミリ単位で考えた末に、やっと気に入った型になった経緯があるから、材料はかなり無駄が出るけどしかたがないかな。
そんな風に最初の1個目を制作する時点では納得するのですが、2個目・・・5個目・・・と作るうちにだんだん納得が疑問へと変化していくことになる。

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例えば革の場合、もともと生き物が材料の為、大きさや凹みが毎回まちまちで、必要な型紙すべてをタテにヨコにナナメにしたりと毎回シュミレーションをしてカットしないと、気の向くままに切出していたらかなりロスします。
直線構成の型であれば理想的ですが、変化を付けるためにはカーブは必要な要素なので内カーブの寸法内に別型が収まるようにしないと、複雑になればなるほど無駄も増す一方で、カットの苦労も比例するようです。
posted by AKA at 08:41 | Comment(0) | 布のアトリエから

2008年01月15日

革用の針

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革の縫製する時、個々使い勝手の良い針は違うと思うのですが、私の愛用は 【SKC社のレザー針】 刃先の形状が平形にカットされる感じですごくスムーズ。
14番という細さの割に、多分刃部分が良いのか硬い革でもスッと入っていく。
太さが14番しか出回っていない為に、折れる不安を感じて売れなかったのか?店頭から消えつつあり、すごく焦りを感じています。
気が付けばレザー用ミシン針は 【ORGANのレザー針】 ばかりに。
ともかく愛用の針は、東急ハンズ新宿店しか確認できてないくらい減った。

先日店頭在庫分全てを買占め、少々愚痴っぽく 
「 もうこちらしか見付けられないから、販売をやめないでほしい 」
と店員さんにお願いしたところ、
『 ORGANのレザー針じゃだめですか? 』 
と、やはりヤンワリと勧められた。
「 これ11番・14番・16番のミックスでしょ?16番オンリーがあればいいけど 」
と言ったとたん何かツボに触れたらしい・・・
『 そうなんですよ! 私も単品で出してってメーカーに言ってるんですよ 』
「 大体、革縫うのに11番使う事ないかも 」
『 そうそう、そうなんですよ! 11番で縫える革なら太めの普通針だって平気なくらいですよ 』
「 結局16番、14番の順に使ったら11番を残してまた買う、なんか無駄よね 」

かなりの本音を聞けて、やっぱりね! と少しスッキリしました。

関連記事− 効率的な型紙を目指す レザーにスパンコール
posted by AKA at 08:07 | Comment(0) | 布のアトリエから

2008年01月11日

レザー制作途中

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リーフをイメージしたバックの、革の持ち手部分を一枚づつ手裁断でカット。
布と違ってミシンが要らないから自分で革小物を作る人も増えているみたいですが、量が多いと革の作業は手が痛くなって疲労困憊します。

4枚を一組で使用するので、1枚1枚を正確にカットしないと合わせた時に微妙にズレて、しかも曲線だけで成り立っているラインなので、どこかしらで帳尻をあわせることが難しい・・・。
切損ねると革が無駄になってしまうので、ひたすら集中、集中、の連続です。

こういう作業は絶対に自然光の中で作業しないと、革に付けたわずかな印を見逃してミスカットの可能性が高くなりますね。
型紙はかなり厚手でしっかりした透明のものを作って、合印をいくつも付ければかなりズレ防止になります。

日が短い冬場はカット時間が限られ、かなり慌しい作業になります。
posted by AKA at 18:56 | Comment(0) | 布のアトリエから

2007年11月30日

メイド イン グレートブリテン

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量より 「質」 ・ モードより 「質」 ・ 使便性より 「質」 ・・・etc.
そういう空気が全体から滲み出るといえるのがイギリス製でしょうか。

少し前は英国ブランドの物といえば
「オーソドックス」 「地味」 「目立たない」
というイメージを持っていたのですが、気が付けば周囲があまりに劇的に変貌を遂げたのにそのままそうしていたために、もはやオーソドックスを超越しているように思います。
今時アーガイルにトレンチ姿なら、むしろレギンスにブーティーより目立つ!

私の両親は英国製とイタリア製の毛織物に絶対的な評価を下している世代で、その認識が私にまで及んでいるのです。
母が若い頃1ヶ月分の給料をはたいて買った、タータンチェックの毛布を私が引継ぎ今も使っていますが、死ぬまで使っても擦切れることはないでしょう。
バブルの頃血迷って、10万位で購入したラルフローレンの毛布には毛玉が・・・
昨今の偽装云々で、「質」というものがまた見直されるかも。

そんな移り気な人々の事など無視したように大きく刻印されたイギリス国旗は淡々と我が道を貫く気骨と自信を見せ付けているように感じます。
posted by AKA at 21:41 | Comment(0) | 布のアトリエから