2009年03月27日

チャコ遍歴は苦悩の連続

こんなに色々な物が驚くほど便利になったり、0.5mm芯のシャープペンが “ もっと細いままキープされる ” ものが発売されたりする世の中なのに、“ 布に適度な正確さで印をつける ” という控えめといっていい望みがスッキリと解決されない状況に、かなりガッカリしています。
少し前にシャープペンシルタイプのチャコが発売されました。
子供の頃から縫い物をしてて 「 シャープペンシルタイプのチャコがあれば便利なのに・・・ 」 と思い続けてやっと登場ですよ。
世の中にシャープペンシルが登場してから一体何十年経っただろうか?

チャコ090327.jpg

ではこれで解決されたかというとそんな事はないのです。
シャープペンである以上は、ある程度の硬さの芯を使わないと折れてしまうのでしょうね、柔らかいジョーゼットなどの生地や、少し荒めの織りや、凹凸のある生地には線が付きにくい。
パッチワークなどに使われるようなフラットな綿織物やしっかりした生地向きです。
確かに商品名は 『 キルト用チャコ 』 というような名称で、そういう用途の生地に対応できるようになっただけで、万能ではありません。
昔ながらの三角形の塊になったチャコは一番柔らかいので印はかなり良く付きます、が!“ 先 ” なんて呼べる部分は無いに等しい。
だからえんぴつタイプ、サインペンタイプ、店で見かける新製品など、色々なチャコを試してみるものの使ってみる度にガッカリ。
これしかないんだからしょうがないと妥協し、 「 えーーと、ココに線があるってことは、1〜2mmくらい内側が正確な位置かな?」 と、カンを働かせて作業するのです。
母は 「 正確に印を付けるならヘラ! チャコのラインなんてぜったい信用するな 」 と口にしますが、こういう極端な人もいるくらいだから販売側も本腰入れないのかもしれない。

正確さを要求されるものの場合、和裁のヘラを工夫して使う事もあります。
それから、ラインは信用出来るけど作業は面倒な、カーボンのチャコシートで印を写す方法もあります。
いずれにしても、なんでこんな便利な世の中で前世紀の道具が一番正確なんだ・・・カーボンなんて今時領収書くらいしか目にしない代物だし、ヘラなんて見たこともない人がほとんど。
結局縫い物自体が超アナログ作業で、道具より経験でカバーしろ!という御達しですか?
柔らかくて折れないチャコの芯が開発されるのには、またこれから何十年も待つのかなぁ。
posted by AKA at 12:46 | 布のアトリエから

2009年01月17日

絶滅寸前の縁側空間

朝から夕暮れ前まで、お日様が燦々としている日には暖房要らずの暖かさ。
夏なら何時も風が吹きぬけて快適。
日本の風土に適った空間として設えられてきたはずですが、今や縁側を作る家なんてちょっと無いですね。
一つの部屋として使うには幅が狭すぎるし、壁面も突き当たりにしか無いのですから、家具とかもあまり置けません。

ウチには今時珍しく “ 縁側 ”のスペースがありますが、正直言って有効活用できているかどうかは微妙です。
かなり日差しが入るので、洗濯物を乾したり、植物の温室には便利なんですが、どちらかといえば唯あるだけの空間になってしまっていました。

縁側090117.jpg

でも何年か前から、縁側の日中の快適さがカンペキなものだから、ここをアトリエにできないかな・・・と思っていたのです。
結局、材料や道具の事もあって無理だという結論にはなりましたが、刺繍や和裁などの手仕事なら持って移動するのも大変というほどでもないので、まずは作業限定で使ってみることにしました。
家具を置かずにペタンと座るのが縁側のイメージなので、キリムを敷いて座布団に座わると、狭い空間に6枚窓なので太陽だけで体が暖かい。

昔の映像など見ていると、お昼寝したり、野菜を乾したり、洗濯物を畳んだり、色んな事を縁側でやっていたようですが、普通は1階に作るから昨今の世情を考えると防犯上ありえないかもしれません。
それに乾物も作らないし、サザエさん家みたいに洗濯物乾せる庭はないし、昼寝する時間もない・・・
ああ、縁側はもう日本には不要?
家具も無く、テレビも無く、PCもなく、不便だけどポカポカって場所もいいものなんですけどねぇ。

posted by AKA at 12:47 | 布のアトリエから

2009年01月10日

自分で漆喰壁を作る

漆喰壁09011.jpg

1階の水回りの黒カビに悩まされて、一大決心で漆喰を塗りました。
漆喰は自ら呼吸をする建築材で、湿気に非常に強く、蔵などに多く使われる事で有名です。
ですからカビなどにも効果があるかもと考えてやってみる事にしたのですが、効果は思った以上でした。
まずRC建築では悩みの種、冬場毎日起る “ 結露 ” が無くなりました。
他の部屋は窓とかドアとかビッショリですが、漆喰壁にはそんな事は全然起らなくなり、湿気無い→カビも生えない、ということなんでしょう。

ベリベリと既存のビニールクロスをはがすと、 恐ろしい事にその中はカビがビッシリでした。
カビキラーを部屋中に撒き、カビを殺してから作業スタート。
売っているのはほぼ白漆喰ですが、我家のように色を加える場合は、漆喰用または白セメント用の染粉を入れます。
この染粉は複数の色を混ぜて好きな色を作れるのが便利なところですが、染色や絵を描く経験の無い方は少しづつ加えて、作ったものを少し取り出してドライヤーで乾かして色確認しましょう。

漆喰の他は左官屋さんでおなじみの “ 鏝 ” を買い、プロじゃないので細かいコーナーなどは油絵用のペインティングナイフを使いました。
マスキングテープを廻縁に貼り、後はひたすら塗って行くだけです。
作業はどう楽観的視点で見ても決して簡単とは言えません。
ビニールクロスのように、家庭で扱えるような工夫は一切無い職人技術のジャンルなので、自分でやるならこんな程度の仕上がりだろうと鷹揚になれる人はやってみて下さい。
もちろん私も初めてで悪戦苦闘し、ヘトヘトになりましたが、それでも変チクリンなビニールクロスより、よっぽど気に入っています。
トイレ1カ所でも丸1日、色を付けた漆喰は全部まとめて作るか、染料の量を厳密にしないと、壁の途中で色が変わるので、密閉して保存し、何日も作業しました。

そんな壁にAKA+Hのテキスタイルパネルをかけました。
季節の折々に絵を移動させたり新作を飾ったりして楽しむので、壁の雰囲気は重要です。
posted by AKA at 11:36 | 布のアトリエから

2009年01月06日

革で作るペンケース

革は生き物の形が材料なので、そういう不定形の材料からバッグなどに必要な形を裁断していくと、どんなに工夫してカットしても、ずいぶん沢山の余り革が出てしまいます。
残った材料は作品に使える可能性がなくても、レザークラフトなど小物を作る機会があるかもと、とりあえず保管しておきます。
誰かに何か作ってあげたら少しは減るだろうに、と大掃除で思っていたら、以外と早くその機会がやってきました。

毎年お正月に友人達が集まる新年会では、必ず ビンゴ ” をやってプレゼントを交換するのですが、作品制作をしている人は自分で作ったものをプレゼントにするのです。
私も今までずっとAKA+Hの小物で参加していたのですが、だいぶ革も溜まってきて保管も大変なので、今年はレザー小物にしてみようかな、と元旦早々に縫い物生活が始動しました。

革のペンケース090106.jpg

いざ買うとなると以外と値段が安くないだろうと思ったので、革のペンケースを縫うことにしました。
表に見えてくる面積は大きくないし、細長いので、あまり革に模様を付けにくい感じ。
今回は “ ファスナーつまみ ” 部分に3色の糸でランダムステッチを入れてワンポイントにしてます。
そのステッチ部分を除けば、本体はすべて手縫いで出来るので、お正月特番を見ながら長くて太い針で黙々とチクチク。 ( 正しくはグサグサ )
誰に当たるか分からないプレゼントなので、あまり好き嫌いを感じるようなデザインにせず、あっさり目に作りました。
posted by AKA at 12:25 | 布のアトリエから
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