2016年01月11日

ホワイト&ブルー

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北欧の磁器のような色。
紙の上に描いた様に単純な色調が美しい。


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風が吹くと高い音で枝が揺らめき、辺り一面に氷の粒がガラスみたいに光ながら落ちてきて、キラキラの吹雪。
時々その欠片が私の首からスルッと入ってきて、ヒヤッと一瞬飛び上がりそうになります。


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異常気象の影響で、雪山にならない状態で霧氷を楽しめる不思議な冬です。

ブルーの世界に侵食するような白い氷の枝。
冷たいはずなのに、その白さは綿のようにも見えて、剥き出しの木の枝よりも温かみを感じるから不思議です。


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枝から落ちた氷の欠片は地面を雪のように覆うけれど、まるで真っ白いパン粉のよう。
墨絵のように木々をくっきりと映していて、無神経に足跡をつけたら台無しになってしまいそうで、避ける様に歩いてみたり。
元々歩きにくくなってる道程を益々難しくしながら進むのもゲーム感覚のようです。


暖かすぎて霧氷を楽しめるのは午前中だけ。
太陽が高くなる頃には枯れ木に戻り、地面をぬかるませて消えてゆきます。



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重くなるけど、寒い中休憩が長くなるのがイヤだったのでスープジャーのブランチ。
湯気をたてるけんちん汁INお餅のお雑煮。
もう最高!
posted by AKA at 21:44 | 山旅

2015年10月15日

台風の日に人生一番の紅葉

先週、台風通過後に合わせて栗駒山に行ってきました。
ところが台風22号はあまりにノロノロと移動して、東北が勢力圏内のままその日を迎えてしまい、登山口は猛烈な強風と突風で車もガタガタと左右に揺さぶられる始末・・・。

正直こんな日に登山をした事はなく、めったにこれない遠方の栗駒山でなかったら、あっさり断念していた事でしょう。


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しかも正面側のイワカガミ平から見上げる山は紅葉も終盤で、尚更気が萎えそうな状況。
山頂から降りて着た人に確認すると、突風の状況はここも山頂もあまり変わりないというので、意を決して登り始めたのですが、尾根前になると吹きっ晒しで、前傾姿勢で四股を踏むように踏ん張らないと何度も転がりそうになる有様です。
フードをかぶってコードをめいっぱい締めた姿は、ほぼモジモジ君です。
( 私以外も全員がモジモジ君なので、全く違和感はないのですが )


景色は開けていて絶景ですが、とにかく立ち止まると飛ばされそうになるので、黙々と休むことなく歩き続けるだけ。
登りのルートは、やり過ぎなくらいに整備されている傾斜の強いハイキングコースといった感じだったので、風の大変さを除けばとても楽だったのが幸いでした。


「 山頂から反対側に回れば突風がなくなるかも・・・ 」
とにかく早く山頂に登って、一分でも早く1cmでも下に降りたい!
こんなふうに思ったのはこの山が初めてです。


でも、風の代りに反対側で待っていたのは、雨で水浸しになった登山道でした。


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尾根からしばらくはずーーーとビッチャビチャ。
あーあ・・・。

足元をぐちゃぐちゃにしながら進んだら、とんでもない景色が広がりました。


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スゴイ!
キレイ!

疲れも一気に吹き飛ぶ光景。
こんな濃くて、素晴らしい山を見た事ありません。
これでもピークは過ぎたらしいので、ピーク時ってどれほどなのか!
万華鏡を見るかのような光景なのでしょうか?


晴れていたらもっともっと綺麗に輝くような色が見れたでしょうけど、荒天の為、独り占めって感じだったから十分満足です。
いつかまたピークの紅葉とやらを見る事ができたら嬉しいのだけど。


歩かなければ出会えない景色。
多少の疲労もこの感動に出会えるなら安い代償だと思ってしまうのでした。

posted by AKA at 12:48 | 山旅

2015年10月02日

北アルプスの紅葉

北アルプスの紅葉が先週末あたりから見頃です。
10月1週目は例年の紅葉ピークシーズンなので、事前に予定している方々で混みそうな予感がして今週行ってきました。

夏のお花畑シーズンより期間の短い紅葉シーズンのほうが混みやすく、週末は細い登山道が行列のよう渋滞してしまうので、9月末の、しかも平日に済ませてしまって正解でした。


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自分のペースで歩ける程よい間隔をキープ出来て、写真ものんびり撮れたし、紅葉も綺麗でした。
他の登山者の方々もゆったりと山歩きを楽しまれてて、ひと時見知らぬ同士短い会話を楽しんだり、慣例となってる 「 こんにちわ 」 の挨拶の後に、下る人は登る人に 「 いってらっしゃい 」 を声かけしたり、同じ部活の仲間的な和やかな空気が山を包んでるようでした。


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9月に紅葉する場所は、まだ秋の気分にチェンジしていなくて行き逃してしまう事が多いので、ちょっと弾丸気味の実行となったけど、早くも秋を満喫できて大満足です。


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山の上はハイ松帯なので紅葉とは無縁で、夏でも秋でもあまり様子は変わらないんですよね。
色づきが無いなら上がらなくてもいいのだけど、区切りがつかなくって登ってしまう感じ。

でもこういう眺めも清涼感が凄くて大好きです。


帰りに温泉に立ち寄ると、女湯には私とドイツ人女性3人のグループだけでした。
彼女達は 『 塩の道 』 をウォーキングで北上しているんですって、凄いと思いませんか?
日本語は全くしゃべれなそうなのに、コンビニもまばらな山間部を横断して、泊まるとこ探したり、名物を食べたり、温泉に入ったり。

海外からの方は本当に自流のテーマを持って旅を実行するな、と感心したり、色々な事を気づかされます。
それに比べたら登山なんて全然甘いですね。


「 大昔ですけど 」と前置きの上で、「 貧しい農村の農夫は塩の道を通る塩商人に自分娘を売ってたんですよ 」 と言ったら

『 え゛〜! 娘と塩を交換! 』

って、裸でかなりのリアクションしてて面白かった〜。
posted by AKA at 20:08 | 山旅

2015年06月14日

たぶんハイだった1日

先週何かの拍子に股関節を痛めたようで、ふとした動作でズキズキする。

そんな具合でしたが、あまりの好天気にどうしても山に行っておかなければ! という気分になってしまいました。
安全な山なら大丈夫でしょう。


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やっぱり、いい天気!

勢いで来てみたものの、天気とは裏腹に足の調子を考えると独りで行動するのは気が重く、
「 何でこんなことするんだろう、私・・・ 」
そんなマイナス思考になるも、とにかく青空だけ見て歩く。

一山登ったら気が済んで帰ってもいいしね。


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上に上がったら二つ目の山が見えた。
視界は超良好で微風。
あんなに家で難儀していた脚が全く痛く無い、不思議。


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原始っぽい! って段々と楽しくなってきて
すれ違う登山者の方から
「 こんな天気は滅多にないね! 」
「 今日は最高ですね〜 」
と声をかけてもらい、やっぱり来て良かったんだと、沈んだ気持ちは直ぐに吹き飛びました。


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あの山の向こうから休まず歩いて二つ目の山頂に来てみると、全く息も上がらず、脚は軽く、何処までも歩けそうな感じがする。

股関節の事を考えて、今日の予定はここまでだった・・・
でも、写真を撮ってもらった人達が3座目に向かって行くのを見た途端、すごく行きたい衝動にかられてしまった。


全然疲れなかった為に、今日一度も休憩していないし、標準タイムより2割ほど早いペース。
いつもは休憩で景色を見ながら食べたり飲んだりするのもすごく楽しいのに・・・どうしちゃったのか?

欲求していない体に無理矢理クッキーを押し込みながら、こんなに脚が軽く感じるし、通常は更に4時間くらいは余裕で歩いてるし、なんてったって今日は最高の日なのよ。
そう確信したけれど、予定を変えずに下山する事にする。


" あ〜あ、勿体ない " と心でブクツサいいつつ下山して、ランチをしにカフェに向かいました。


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お気に入りのペニーレインに到着して、車から降り立った途端、ガクッと突っ伏して転びそうになった。
どうにかこらえたけれど、まともに真っ直ぐ歩けない!
ヨタヨタで脚をブルブルさせながら、出来るだけ平気を装って、どうにかこうにか席に辿り着いた。
さっきまでの絶好調な私は何処へ?


あの気力は単なる脳がハイ状態になってただけ、薬物をやると同じ感じなのかな?
下界に戻った途端、脳も股関節も現実に戻ったようです。

あのまま調子に乗って3座目に向かってたら・・・多分遭難予備軍入りだったかも。
『 整備された登山道で救助要請 』
って、世間からバッシングを受けそうな事になってたかもしれない。
甘〜いキャラメルラテを飲みながら一人反省会。


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ペニーレインのオレンジブレッドをお土産に購入。
出来立ても最高だけど、一日経っても美味しい。
とにかく、最高の日を最高のまま終わらせられてホント、良かった。
posted by AKA at 10:24 | 山旅