2016年10月08日

小っちゃい秋

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例年ならば、もう紅葉は終了。
という山もあるくらいなのに、今年は天候不順過ぎて、過去のデータは全くアテにならないようです。

気温が低くなって、太陽の光を浴びないと葉っぱはキレイに色がつかない。
日照不足過ぎて、今年は紅葉のハズレ年かもしれない予感。

それでも秋の気配って、心がすぅっと落ち着くみたい。


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曇りがちだと、歩く意欲よりも食欲のほうが勝ってしまうので、のんびりと外ランチを堪能して過ごしました。
温かい食べ物が恋しくなる季節になってくるので、次回からは汁物にしようかな、とか、食べてるそばから次のメニューを考えている食いしん坊な私です。


以前どこかの山の頂上で、ザックの中からカセットコンロを引っ張り出したグループを目撃しました。
心底ギョっとした。
えっ、エッ?、えっーー! って、見間違いかと3度見しましたよ。

本格的に料理でもするのだろうか? と様子を見てたら、今度は別の女性のザックから、そこそこ大きい土鍋が出現。
これには絶句しました。
あれは何キロくらいあるんでしょう・・・。

それぞれ食材やら、酒やら、燃料やら、担当の役割があるようで、荷物を分担して山頂鍋パーティーをするみたい。
鍋山行っていうやつですね、初めて見たから驚いた。
しかも、見たところ60代のグループ。
以前から思ってましたけど、あの世代は本当にすごい体力なんです。


私が土鍋の係りを割り振られたら、腰痛になるかもしれない。
でも本当に楽しそう〜、いいなぁって、大人数登山もちょっと羨ましく感じました。
山で食べるゴハンは何でも美味しいけれど、絶景の中で鍋なんて、絶品でしょうね。
夢のような山ゴハンです。



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麓の農産物直売場のほうが、秋真っ盛りです。

早く大っきな秋が来ないかな。
ああ、待ち遠しい。
posted by AKA at 18:47 | 山旅

2016年09月18日

シラビソの森で

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北アルプスに行く予定の日、登っても絶対雲が多くて視界が無さそうな予報だったので、あっさりと行き先を八ヶ岳に変更しました。
シラビソの森に囲まれた八ヶ岳は木々に守られているので、多少雲や風が出ても安心。


山麓に広がるファミリーやカップルで賑わうリゾートのイメージとは裏腹に、とにかく静かに歩きたいという人にはもってこいの山だと思う。
ファンタジックな深層の森は、精霊の存在すら感じられそうなくらい美しいです。


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山頂付近まではひたすらに、その神秘の森歩きが続く。
滑りやすい苔とゴロゴロ石のぬかるんだルートを登山靴を汚しながら黙々と登れば、いきなり景観が一辺して絶景が広がる。
アメとムチが極端な山。


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台風の合間という事もあって、夏山シーズンとは思えないほど人が少ない。
マイナールートを選んだので、ツアーとすれ違うこともなく、山慣れした人達ばかりという印象です。
一人で登ってる人の割合は多い山域ですが、森が深いので、独りで歩いたら静かで良いのを通り越して、怖くなるくらいだと思う。


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夏の終わりに辛うじて夏らしい景色と空に出会えました。
雲が多い日でしたが、山頂で雲が切れると、物凄く嬉しくて嬉しくて!
一期一会の風景に出会えるのも山の醍醐味の一つですね。
posted by AKA at 19:37 | 山旅

2016年09月02日

懐かしい道へ

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登山をしない人でも、尾瀬という場所の事を知っている人は案外多いと思います。
私も30年ほど前に良く知らないまま、とにかく歩けばいいんでしょ、くらいの状況で登山口からスタートしたのが、尾瀬の大清水でした。


それは東京が新緑まばゆくなる頃だったのですが、尾瀬はというと、残雪期真っ只中。
グッチャグチャに半解凍された雪があっちにもこっちにも、という有様。
道中は退屈なほど変化がなく、いつまでもいつまでも同じ光景が続くので会話も少なくなり、正直この苦痛がいつまで続くのか、次のカーブで終わらないのかと、そればかりを考えながら登り続けた。

当時は今とは比べものにならないくらい、へなちょこな装備で、そんな状況も相まって一発でこの道が大嫌いになってしまった。
でも、沼田〜尾瀬〜会津の道を開通させた真田信幸の時代、私のへなちょこ装備なんてものじゃない足回りでこのルートを登っていただろうから、装備ではなく私の精神力がへなちょこだったのだろう。


以来、何度も尾瀬を訪れているけれど、大清水口から尾瀬に向うという発想は全く浮かばなくなったが、8月の後半に福島側の檜枝岐で待ち合わせという計画が持ち上がった。
いつも使う鳩待峠から入ると尾瀬横断で距離20キロ、始発電車で路線バスに乗り換えると、夕方までに福島側に抜けるには私の足ではあまり余裕が無い事が判明し、あの最悪な思い出の道を歩くという選択が浮上したのです。


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訪れたのは日曜日だったのに大清水は人もまばらで、静かな森の中。
バスは私と燧ケ岳をテント泊で登るという男性の2人だけでした。

到着して驚いたのは、登山道序盤の林道終わりまで低公害車のシャトルが運行されてた事で、随分とルート短縮になってる事も知らなかった。
バスが到着して降り立った私とテント泊男性に運転手さんから声がかかったが、シャトルに乗らず、登山道へと向かって行く。
ちょっと乗りたい気持ちもあったけれど、そもそも20キロ予定を縮めてこのコースを選んだし、昔の苦い記憶が今でも同じ印象か、同じ道中を歩いて確かめたかったのだった。


私の装備も良くなって、歩きやすい夏道はあの時とは比べものにならないくらい快適。
真夏だから日差しを遮る樹林帯はありがたく感じる。
でも、やっぱり私はこの道は好きになれそうもない。


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それでも、秋めいて来た尾瀬は貸し切りのような静けさに包まれていて、美しかった。
体力だけは旺盛だった学生時代の自分と一緒に歩いているような気分で、ちょっと味わったことがないような不思議な感覚を体験できて、貴重な一日でした。
posted by AKA at 19:44 | 山旅

2016年06月06日

毎春の憂鬱と喜び

冬から春まで座って作業ばかりしていると、ビックリするくらい筋力が衰えてしまう。
しかも日常生活ではほとんど支障がないので、危機感もなく過ごしてしまうのですが、いざ体力を試されるような場面になると、とんでもないことになってる事実をつきつけられるのです。
そしてリハビリ、その繰り返しです。

毎春そんな自分に少々ガックリするれど、今年は特にひどかった。
これはまずい、って本気で焦ったので、珍しく毎週同じコースを歩くことにしたのです。


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ホームグランド的な歩きなれたコースだと、行程に気を取られることがないので、その時の良し悪しがはっきり分かって自分の体の状態を自覚しやすいです。

一週間ごとに変わっていく山の様子はタイムラプスのようでした。
自然が目覚めていく様子は、そこに居る私にも力をおすそ分けしてくれる。


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一回目は枝しかなかったのに、二回目には蕾の殻が割れて、三回目には開き始めた。
自分の庭でもないのに 「 よくやった! 」 と褒めてあげたい気分。

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最初は唯黙々と自分の足と地面ばかり見つめていたけど、薄茶色の枝が重なる谷間に可憐なアイボリーの花型をちらす頃になると、自分の呼吸の音より、周囲の変化のほうに意識が向くようになる。
それは余裕かな?
そんな風に、ちょっとずつ自分の体を取り戻してる感じが嬉しかったです。


でもね、
確実に取り戻すのに時間がかかるようになっている。
戻るうちはまだましかもしれないけれど、正直この先どうなるのか・・・ちょっと怖い。
posted by AKA at 13:04 | 山旅