2017年08月26日

高山植物とライチョウ

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山を歩く日を前もって決めてしまった時はいつでも " 出来れば晴れにして下さい! " と都合のいい時ばかり必死に神頼みしてしまう。
しかし天気は個々の努力も願掛けもまるで効力は無く、この日もガスで視界不良のスタートでした。


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花が多い山なら眺望の悪さはあまり気にならない。
しっとりとした空気は生き物にとってはカンカン照りの日より心地良さそう。
花も昆虫も活き活きして、歩く人間にとっても体は楽。
それに、山の天気は登ってみなければ分からない。


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案の定、雲の高さを通過したら大分視界も良くなってきました。


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森林限界を超えると高山植物が咲き誇ってて、ロックガーデンのようです。


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稜線に出ると高山植物の女王コマクサ登場。
えっ!まだ咲いてたの!
初夏の花っていうイメージなので少々驚きました。
多分低温の日が続いたので今までもったのでしょうか? うれしいご褒美です。


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山並みは相変わらず視界が切れたり隠れたりの繰り返し。

登りながら友達には
「 こんな日はライチョウの遭遇率が高いよ 」
などと、自らハードルを上げてしまったのですが


出たーーーー!
( いたーー!と言うべきだけど、気持ちとしてはこんな言葉になっちゃう )


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超カワイイ💛

お母さんと六羽の子供たち出現。
天敵に襲われにくくなる為か、曇ってる時程遭遇率は高くなります。
少なくとも過去に私が遭遇した時は、雲が多い日。
目の前にいても、あっちこちチョコチョコ動くので、7羽をワンフレームには収められませんでした。


何せ雷鳥というのは全く人を怖れませんので、写真を撮るのはさほど難しくありません。
人に近寄ってくるという慣れた様子は無いですが、意に介してないというのは確か。
通りたいところに人間が居ても気にせず横切ったり、砂浴びをしたり、野生の生き物と思えないほどマイペース。


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私達が雛の傍で撮影していても、親鳥は崖の向こうを熱心に警戒中です。
人間は敵ではないし、人間の傍はむしろ安全だと理解しているご様子。

そんな呑気だから絶滅危惧種になってしまうのでしょうか?
大抵もっと小さいヒヨコくらいの時に数が減ってしまうようですが、今回の親鳥は6羽も大きく育てていて子沢山。
人間の往来があるルート上での子育ての成果かもしれません。
頑張って成長してほしいです。


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高度が上がると薄曇りになったけど、結局最後までスキッとした青空は見れませんでした。


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下に降りていくほど晩夏〜初秋の花畑に変化していきます。
自然がそのまま花束のようです。


夏の花も秋の花も楽しめた今回の山歩きは、素敵な光景をインプットして心が充実しました。

街に戻ったら、美しい色の作品作りを目指してアウトプットしていきましょう。
posted by AKA at 18:13 | 山旅

2017年08月12日

静かな尾瀬

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ノロノロ台風の為、天気が悪くなっても呑気に楽しめる所を歩こうか、という話になり、上越エリアは好天だったので尾瀬ウォークしました。


ニッコウキスゲも終わり、戸倉の駐車場は車が少なめ。
7:30に鳩待峠に到着し、一ノ瀬から林道を走るシャトルカーに乗れば時間は大丈夫だろう、という判断で尾瀬ヶ原 〜 尾瀬沼 〜 大清水まで横断するコースにしました。
大清水から戸倉に戻る15:50の最終バス目指してスタートです。


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軽装の日帰りハイカーは竜宮あたりでUターンされる方が多いので、その先に向かう人は極端に減ります。
貸し切りの尾瀬を満喫!


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ほんの少し残ってる花を撮ったり、


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峠の森できれいな色の葉っぱを撮ったり、
途中何度も休憩したりしてなかなか楽しい。
アップダウンも大きくないからって余裕をかましてます。


昼過ぎに尾瀬沼に着いて、まったりと昼ごはんタイム開始。


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最近お手軽な山メシとしてハマっているのが冷凍お好み焼き。
突然の山行でもコンビニだって買えて、保冷材代りにもなり便利。
そして好物ゆえ、どんなに疲れていたとしてもいつでも食べれる。

そんな事を友達に話していたら、向かいのベンチの男性4人から
「 おい、おにぎり食べないか? 」
『 もう何にも食いたくないよ 』
そんなやり取りが聞こえてきた。
そうそう案外おにぎりもイヤになる時ってあるよね〜、すごく分かる。

特に暑くなる頃は食欲も無くなりやすいので、あんまり噛まずに飲み込めるようなものがいいんです。


しかーし、楽しんでいられたのはここまで!

気づけば残り時間は多くなかった。

最短で沼を横断する南側ルートを選んでドンドコ歩き、無言で登り、ガンガン降る。
レジャーというより部活動。
15:00のシャトルに乗ろうと言っていたけど、結局一ノ瀬に着いたのは15:20分だった。
終バス10分前に大清水に到着、ああハラハラしたぁ。


450分のルートを410分(+60分休憩)、そんなにタイムは縮まなかった。
当たり前だけど、たっぷり遊んでも間に合うぞくらいの余裕のスケジュールがベストですね。


尾瀬は訪れる人の体力や経験や嗜好に合わせて、宿泊・水場・交通機関・駐車場が整備されてます。
ハイク〜登山まで色々なルートが組めるので、まだまだ行ってみたいコースがあります。


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徒歩3時間で草原のカフェなんかもある。
私は利用しないけれど、草原の中でのカフェタイムも素敵な思い出になるでしょうね。
自然の中に入るには雨具や最低限の準備は必要ですが、食事などの重さはお金で解決できちゃうので、トレッキング経験が浅くても安全に楽しめる所です。

★今回のコース、一般的には健脚向きとされていますので、初心者の方は2日間で歩きましょう。
posted by AKA at 18:45 | 山旅

2017年06月25日

花の平標山

毎年 「 今年こそお花畑に! 」 と恋い焦がれ続けて数年。
その時期が6月後半という梅雨の真っ只中な為、なかなか好機に恵まれず、振られてばかりの平標&仙ノ倉。
空梅雨で、ようやくチャンス到来です。


折り畳みイスに乗って天袋を掃除している時、掃除機のコードを引っ掛けてバランスを崩し、左臀部から落下して一週間安静にしていた影響か、登り始めから体が重くて気持ちまで重くなるものの、今年は逃せないぞ!と体に言い聞かせて歩き始める。
事故死の半分以上は自宅内というから、本当に注意が必要ですね。


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スタートするとウツギやサラサドウダン、レンゲツツジなどの低木樹の花がお出迎え。
この先出会える花々への期待が高まる。

調子が上がらないまま黙々と2時間程経過すると高山植物地帯に突入。


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いつ見ても可憐なイワカガミ。
花びらがカットワーク状で特にお気に入りのお花。


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山頂直下で汗を絞られていると、ヨツバシオガマがユラユラ揺れながら、応援してくれているようで少し疲れが癒される。


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標高差1000mほど登ってようやくハクサンイチゲの群生地に到着。
ここまで登れば気持ちの良い稜線歩きがようやく始まります。
お花畑まであとひと踏ん張り! 頑張れ打撲痛のワタシ。


そして約3時間、ついにキターーー!


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ああ〜、ようやく見れた。
想い過ぎて過大評価になる事もあるけど、これは期待を裏切らない光景でした。

チングルマやハクサンコザクラ、みーーんなキュート。
ハイジとクララが花のシャワーをやっていた、あのシーンが目の前にある感じ。

アルムの山を妄想しつつ、花畑でランチ休憩。
何時までもここにいたいなぁ・・・
そんな気分で長く休み過ぎたので、名残り惜しさを振り切って最終目的地に向け出発。


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絶好の晴天だけど、とにかく風が強い。
でも、お陰で暑さバテもせず、前回は花も無くガスの中を歩いた事を思うと、晴れているというだけで最高の日です。
ここが斜面を登った末に行きついた場所とは思えないほど、嫋やかで伸び伸びとした景色が続く。
自分の脚だけで、下から見上げた時には想像もつかない光景を体感できるシンプルさが、山の面白みですね。


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出発から4時間半、途中で楽しみ過ぎてようやく仙ノ倉の頂上に到着。
この景色の向こうまで13時間コースを行ってみたいなと思ったこともあった。
避難小屋しかないので、女性だけで縦走するのは躊躇するコースだけど、チャンスが巡って来る日もあるかもと憧れの眼差しで眺めました。

先月も残雪の山を歩いたけど、今年は雪が多かったのでまだまだ沢山残ってます。
白と緑のコントラストが美しい。


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疲れて俯きがちになっても、一歩一歩直ぐ傍に可憐な花があるなんて、本当に素敵な山でした。
花の名山平標の肩書に偽りなし!
posted by AKA at 17:41 | 山旅

2016年10月26日

眺めのいい場所

アトリエのある街の広い幹線道路に出ると、富士山のように形の良い山が見える。
美しいシルエットをしているから何処に居ても直ぐに分かる、存在感抜群の浅間山。

遠くからでも端正ですが、近づくとまるで浮世絵を見るかのような大胆でドラマチックな容姿をしています。



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今年の紅葉はハズレと言われているから、確かに発色は今一つかもしれませんが、この山は何色でも魅力があると思います。
久しぶりの快晴の予報に居ても立っても居られれず登ってみたけど大正解。
紅葉はもう終盤でしたが、最近では一番の完璧な晴天でした。


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晴れていても冬へのカウントダウンは始まっていて、登山道の両側は長い霜柱がびっしり。
どおりで寒いはずです。


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かじかむ手を火にかざしながら、のんびりと山ごはん作り。
根菜と鳥団子鍋、でも鍋の形がそれらしくないと、中身が鍋と同じでも全く鍋という感じがしないものなのね。
体が温まって美味しかったから、完璧な設えでないのはこの際諦めます。
でも、おにぎりと鳥団子の予定が、バックパックにおにぎりが入っていなかった。
車に置き忘れた〜!なんてこった・・・ おやつに用意したアップルパイをここで食べる羽目になった。

登山に忘れものは絶対NG、だけど何かしら忘れるドジな私。
大抵は重要な物でなかったから幸いだけど、いつか痛い目に合わないうちにシッカリ者にならなくては!


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今回は朝が遅かった為、周回はできなかったのでちょっと名残り惜しく立ち去りがたい。
でも山は、ずっとここにある。
会いたければいつでも来れる。
しばらく雪で閉ざされるけれど、また来年。さようなら。
それまでは近くの道から真っ白い姿を眺めてますね。
次は火山レベルが下がって、もっと近くまで行ける様になっているといいな。
posted by AKA at 23:27 | 山旅