外が白んできたら出発、まずはカールを経由して黒部五郎岳に登ります。
完璧な青空。
昨晩の天気予報は晴れ→雨となっていましたが、晴れ→曇りに変わり一安心。
最後の稜線も楽しく歩けるでしょう。
距離は長いけれど、アップダウンもきつくなく気分良く最後を締めくくれて、これなら予定時間に下山できそう。
歩いて越えてきた山が少しづつ遠くなって、少し名残惜しいけれど、記憶となってずっと自分の中に残るだろうと思うと嬉しく、完璧な4日間だったな、ってこの時は思っていました。
あと30分くらいで、初日に沢へ下った分岐点に合流するだろうというところまで来て、急に様子が一変する。
最初は本当に小さなピチピチとした音がしたが、空も特に黒くなっている様子はない。
友達に「 雨のような音しない? 」 と声をかけると、彼女は 「 そうかな? 」 と気づかない様子だった。
そのくらいの僅かな兆候だったのに、すぐに大粒の水滴が1粒顔を打って、ものの数メートル歩いたくらいでいきなりバラバラっときた。
これはヤバいやつだ。
直ぐに雨対策をしたが、合流地点で一旦雨が止んだので、慌ただしく昼食を取り急いで下る事に。
初日に感じた見晴らしの良い100点満点の登山道に踏み出した途端、雷発生。
見晴らしの良い道 = 自分に雷が落ちるかもしれない最悪な道、ということになっちゃいました。
台風並の豪雨って感じになり、途中から雹になってしまった。
一旦ハイマツの影に退避して、かかんで雷をやり過ごす。
少し音が遠くなったタイミングでまたザバザバ川のようになった登山道を歩きだすと、グチョグチョになって登ってきた男性から、この先に膝までの濁流になってる所があるので気をつけて渡渉して下さい、と情報を頂き更に凹んだ。
上天気だし、午後の夕立くらいまでは大丈夫だろう、その後の下山道なら雨に降られても登りで既に歩いた道だからいいや、と呑気な気分でいた午前中は別の日の登山だったみたいに思えてくる。
幸い、あっという間に沢になった道は物凄い勢いで水が下降していき、濁流に遭遇すること無く無事下山できました。
土砂降りの下山は、4日間で一番インパクトのある記憶になってしまった。
濡れたものをすべて剥ぎ取って温泉に直行。
真夏の登山で長い間お風呂に入らないとどうなっちゃうのかが心配だったけど、高地のおかげか、そこにいる人みんなが同じ状況で麻痺してくるのか、意外なほどその事は気にならなかった。
でも汚れていないような気がしてるのはやっぱり本人だけみたい。
シャンプーは3回洗ってようやく泡がたった(苦笑)。
私の願望に付き合ってくれた友達にありがとうとお礼を言ったら、自分だったら体験することもなかったこんなに素敵なところに連れてきてくれてありがとうと言ってもらえたので嬉しかった。
日本最後の楽園は本当に楽園だった、ことが確かめられた盛り沢山の素晴らしい4日間でした。