
アヤメが綺麗な季節になり、そろそろ夏着物のシーズンですね。

「 梅雨になる前に◯◯を 」 って用事が山積していても、水辺のスイレンがハラリ、ハラリと、静かに花びらを一枚一枚開いていく様子に気づいたりすると、洗わなきゃいけないウールの着物の事など忘れて、初夏の自然を満喫してしまうのでした。
晩春辺りから、晴れるとカンカン照りで、外出から帰る頃には着物が湿気でグッタリしてます。
着物が可哀想でしかたかありません。
そんな状態を何回か繰り返したあたりから
『 今年から私は着物に関してはルールより適温を重視する 』
という風に決めてしまいました。
近年の異常気象を何度経験しても、
「 単衣や夏着物への切り替えは、昔よりも緩やかになっているようでございます 」
などと、奥歯に物の挟まったような意見しか聞こえてこないので、場違いにならない程度に勝手に選ぶ事にしてしまおうと思っています。

その結果、5月でもこのような意味不明なアイテム合わせで堂々と出かけております。
着物の季節感や情緒や伝統は大事な事で、滑稽な形状になることは望んでいなかったのですが・・・。
もはや限界です。
とはいえ、こういうのはちょっとゴハンを食べに行くとか、友達と会うとか、無論そういうケースです。
以前に
" 浴衣で歌舞伎を見に行こう "
という驚愕の雑誌特集に眉をひそめたのは言うまでもありません。
いくら何でも砕け過ぎ・・・という言葉でも足りないくらいのインパクトでした。
スーツやワンピースでは無く、ジーンズくらいのラフさで出かけてみませんか?
という意図だったのでしょうか、斬新さを狙った企画だとしたら的中です。
でも着物の世界の感覚では
" スーツやワンピースでは無く、ジャージで歌舞伎にいきませんか "
くらいのドレスコードを提案しているようなものだと、出版社の方は分かっていらしたのだろうか?
ルールを無視し続けると、このくらいズレた事をしでかしてしまうとしたら、私は危険領域に一歩踏み出してしまった? かも。