2009年12月21日

丈夫な糸 弱い糸

この間 「 糸は丈夫なものに限るという事はないんだな・・・ 」 というアクシデントが起きました。

ポリエステル糸はとても丈夫で、欠点なんて見当たらなさそうなくらい優秀。
いま時コットン生地を縫う時には木綿糸、化繊を縫う時はポリエステル糸・・・という風に使い分ける事は無くなった。
綿でもウールでも、もちろんニットまでもポリエステル糸が使われるくらい万能。

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そんな優秀な糸があるのですから、絹糸は着物関係をやる人やクラフト関係など、もはや糸が滑らないとかキレイだという長所を活かすために使われるくらいで、洋服を縫う為に使われる事はないと思っていました。

私がシフォンジョーゼットをポリエステル糸でミシンかけしているのを見た母に
「 そういう繊細な生地は絹糸のほうがいいわよ 」
と言われた私は、「 絹糸なんて手縫いならともかく、弱くてすぐ切れちゃうから縫い目がもたないし、洋服を絹糸で作るなんてありえないでしょ 」 とアドバイスを聞き流した。
絹のスカートでも、ミシンで作る以上は糸はポリエステルを使うのは当然。
すべりが良くて、色も豊富にあって、肉も切れそうなくらい丈夫!
これ以上のものはあるものかと思っていた。

ところがある日シルクのスカートをはいている時にお尻から 『 ビリッ 』 という音がした。
「 うそっ!後の縫い目が切れちゃった 」
まぁ丈夫な糸と言っても切れる事は珍しくもないので、縫い直そうと脱いで見てビックリ!
生地がメタメタに裂けている。
糸は全く新品同様ピンピンしているのに、糸が丈夫すぎて、生地に切り取り点線でも付けたような有様になってしまったのだ。

もし糸が切れたとしても何度だって縫い直せる。
でも生地が切れたら、再生不可能。
糸が生地に対して必要以上に丈夫だと、生地を惨殺しかねないから、薄くて高価な生地をポリエステル糸で縫うのはとてもリスクがあるのかも。
着物を絹糸で縫うのは、糸が馴染むというだけでなく、ちゃんと理由があったのですね。

絹糸091221.jpg

子供の頃は、母や祖母の絹糸専用引き出しを勝手に開けて糸を使うと怒られたっけ。
キラキラと光って他とは明らかに違う別格な輝きがたまらなく好きで、開けるだけで幸せな気分になれたものでした。
posted by AKA at 12:32 | 布のアトリエから