2009年02月08日

トルコ刺繍とトルコ人気質

刺繍キルト090208.jpg

アラブの刺繍がたっぷりされた民族衣装など、すべて一点物の刺繍がキルトに仕上げられています。
イスラム的デザイン独特のモザイクのような刺繍図案が参考になりました。
トルコでは貴重な愛想の悪い店主、とのやり取りに癖々して一枚しか購入しなかったけれど、帰国してからじっくり見て後悔、あと数枚購入すればよかった。

“ トルコ人は大変な親日家である ”
という話は良く耳にするけれど、私はそれを 『 心の中で好感をもっている 』 程度と解釈していたが、実は世界一、国家レベルの親日家です。

確かに100年以上前、遭難したトルコ船エルトゥールル号の乗組員を助けてあげた事はあるし ( 人道的に当然の行為 )
オスマントルコの宿敵ロシアを戦争で負かした事もあった( 別にトルコの為に戦ったのではない )

でもそんなのはずーーと昔の事で、トルコでは日本人は恩人ですと教育されるのかもしれないが、日本人は教科書に出てくるオスマントルコ以降の記憶は絶たれているから、どうしてそんなに愛されるのか合点がいかなくて戸惑ってしまうのです。
それともBC.****年という国になると、百年前なんてこの間の事のようなのだろうか?

街を歩くと次々声をかけられ、「 自分は日本が大好きなんだ 」 と話しかけてくる・・・
とにかくそれを私に伝えたい人がこの街に何人いるのか判らないけれど
【“超”親日家選手権 】 の審査員にでも任命されたような気分になった。

食事中に日本人だからサービスだと言って飲み物が運ばれてきたり。
とにかくその親切と好意は一日中どこにいても休むことなく注がれるのです。


用事があって銀行に行った時の事。
日本と同じく発券機があり、番号が掲示板に表示されるシステムで、安心してロビーチェアに座り順番を待っていた。

『 ピンポーン 』 と番号が変わったとたん、横にいたご婦人に 「 アナタの番じゃない? 」 と聞かれた。

また 『 ピンポーン 』 と鳴ると、前を通りかかったカップルが 「 あの番号、君のじゃないか? 」 と尋ねてくる。

しばらくして 『 ピンポーン 』 と鳴った時、後方にいた老人がわざわざ席を立って私の肩を叩き、私の持っている番号札を見せろと言い、違うのが分ると安心したように戻っていった。

『 ピンポーン 』、『 ピンポーン 』、『 ピンポーン 』
番号が変わるたびに私の周囲のありとあらゆる人が毎回声をかけてきて、
「 異国に来た不案内なこの日本人を無事カウンターに届けなければ! 」
と使命感に燃えているようだった。

どうやらトルコの人は、日本人がどんなに機器や先進システムに強いかという事を忘れちゃってるようなのです。


バザールでH氏を見失い周囲をキョロキョロと見回していたら、一人の若者が私の腕をつかみ、足早に 「 こっちだ 」 とグイグイ引っ張っていく。
到着したのは女子トイレ。
彼は私が漏らさずに済んで良かった、とばかりに満足げに去って行った。


チケット売り場の無いバス停で、切符はどこで売ってますか? と聞いたら、おじさんが自分の回数券を譲ってくれた。

生憎ピッタリ小銭がなく、10円程度の事なので 「 おつりはいいです 」 と言うと、
そんな訳にいくか! とバスを待つ列全体を巻き込む大事へと発展し、人から人へと両替がされていき、私のもとにきっちりおつりが戻ってきた。

その上、私達の行き先を聞くと、『 誰かその方面へ行くやつはいないかー 』 と探し出し、遠慮する私におかまいなく一人の青年に目的地まで同行させるという徹底振り。

どんな国にも悪人というのは居るものだとしても、トルコで日本人が路頭に迷うなんて到底ありえないというのが個人的感想です。
但し、日本人を愛する彼らの親切はものすごい過剰だということを覚悟しなければなりません。
posted by AKA at 09:32 | 色々な時間