2009年02月05日

トルコのデザインとペルシャ商人

トルコの絵皿090205-1.jpg

イスタンブールのイミグレーションを通過し、税関とをガラスで隔てた到着ロビーに目を向けると、山ほどの男・男・男・・・男性しかいない。
革ジャンを着込み、人相が悪く( 100%誤解 )、そこにいる全員が、ヨーローッパで警戒していた出稼ぎ窃盗団かテロリストにしか見えない。
「 もしかして私、とんでもないところに来ちゃった? 」

空港ロビーを前にした瞬間、 “ ようこそ別世界へ ” と言われたように怯んだのが、トルコ滞在のスタートでした。

こんな事を思い出したのは、先日大切にしていたトルコで買った陶器をひとつ、H氏がメチャメチャに割ってしまったから。
そして自分が滞在中に陰鬱な気分になり、あまりトルコを楽しんでいなかった事、それなのに今更滞在中の事を振り返ると面白い所だったと思えるので、トルコでの事を書いてみようと思いました。

イスラミックなものが大好きな私は、街に出かけて建築物や色々なものを見ましたが、そこにはウォーーと夢中になるデザインが満載。
旅に出たら現地の物を買って帰るのも楽しみの一つ、ブランド品にはまったく興味のないワタシですが、布や陶器などには興味津々。

品物に値段がついて無いから交渉するなんてことはアジアでは普通の事。
ところがバザールなどで 『 何かを見せてもらい、それを買う 』 という事が、ココでは一筋縄では行かない事だと思い知るのです。

「 すみません。アレはいくらですか? 」 
と店主に聞いた瞬間に儀式が始まるのです。

『 まずはお茶でもどうですか 』
勧められるがままに腰を落ち着け、魔法の様な速さで少年が運んできたチャイを頂くと、店主は自分がどんなに日本が好きかという事や、ソニーやトヨタはトルコ人の遠ーーーい親戚である東の果てに住む日本人が作っているのが自慢だ、という事などを延々話すのである。

そして一杯目のお茶が無くなり、そろそろ商品の話をしたい私がヤンワリと
「 それで、アレはいくらですか? 」 と切り出すと、
『 まあまあ、今度はエルマチャイ ( アップルティー ) でもどうですか? 』
と言って、また少年に甘いお茶を運ばせ、必死の英語でのチグハグな会話が再開されるという按配。

いくらなんでも30分近く経っているじゃないか、と半ば強引に
「 で!、アレがいくらなのか知りたいんです! 」
と再び切り出すと、

『 はぁーー。( 残念そうに溜息 ) アナタはお金の事しか興味がないんですね・・・』

「 お金にしか興味が無いのではなく、その皿の値段に興味があるだけだ! 」
と言ってやりたい気持ちだが、どうやら30分くらいはお茶を飲みながら世間話をして、打ち解けた雰囲気になってから商談というのが、お行儀の良いお客という事らしいです。

海外では知らない人から飲み物をもらうのは睡眠薬強盗の危険性があるのだけど、この場はそういう事ではなく、単なる習慣です。
でも、ワタシの購買意欲はみるみる萎んで行きました。

値段次第では買わないかもしれないのに、一軒ごとに店主とお茶をし。
時間をかけてまずは値段を教えてもらい。
そこからようやく値段交渉・・・。
以後よほど欲しい物でもないかぎり店に入らなくなりました。
今思えば休憩時間と思えば楽しい時間、喫茶店のマスターを相手にしていると思えば良かったんですよね。

絵皿090205-2.jpg

後日その店の前を通ると 「 MIYA!こんにちわ 」 と声をかけてくる。

この店はワタシ好みのツボを押さえていて、先日とは違う陶器が目に入って
「 それはいくらなの? 」 と懲りずに聞いてしまったが、
「 これは○○・・・でももっと安くするよ、いくらにしてほしい? 」
と即答してくるではないか。
店主とゆっくりお茶を楽しみ、自己紹介をすればその後は至ってスムーズ。
これがペルシャ商人との付合い方であることを理解したのは帰国直前でした。 
posted by AKA at 18:17 | 色々な時間