そういう時はシュミレーションも兼ねて、連続して同じ着物を着ると帯の相性を色々試せて勉強になります。
複数の色を盛り込むとしたら、古典柄のほうが色々な色を登場させやすいのですが、今回は朱系統の着物で着まわしをしてみました。
すると結果的には配色名がきちんとある、つまり王道の色合わせとなりました。
【 古典柄系でトライアドの配色 】

着物のレンガ色を中心に色相環を3等分する位置 ( 正三角形になる場所 ) にある色をチョイスした色合わせ。

つまり、色相を一周する配色なので、それぞれの分量次第ではかなり派手な印象になりますが、浮世絵も伊万里や九谷焼も似たような配色、つまりとてもジャパニーズクラシカルな色と言えます。
こういう離れた位置にある色を選ぶ配色の場合、各々に関わりのある色が模様に入っていると馴みます。
帯には赤の色が使われていて、緑の半衿には朱の刺繍と帯揚げにリンクする紫の刺繍・・・という具合です。
【 ポップ系の柄でスプリットコンプリメントの配色 】

隣接色相に、補色 ( 色相の対面に位置する色 ) を1色だけ加える配色です。
この場合は衿と帯揚げが補色になりました。

隣り合う色相の色同士はとても調和が取れるのですが、それだけだとやや普通で無難な組合せになるので、補色を1色だけ加えてやると、全体がパッと面白みのある印象になります。
補色は隣接色相に対して極控えめな分量を入れるので、他とリンクする模様の色が入っていなくても調和は取れると思います。
【 紬地を組み合わせてドミナントカラーの配色 】

小紋ですが紬地なので、真綿帯を組み合わせてみました。
紬風に着るとなると、“ 極自然体な感じに・・・ ” という風に仕上がる。

共通の色を含んだ色同士を組合せる配色です。
このコーディネートは登場する色が茶系になっています。
ドミナントカラーにしてもドミナントトーンにしても、良く言うところの 「 色味が似ている 」 という感覚です。
紬などでは馴染ませる事で、その素朴な風情を引き立たせる事も多いかもしれません。
色に限らない視点ですが、 “ 馴染むかどうか ” の感覚は、着物の全てを支配(ドミナント)する重要な感覚ですね。
どの組合せも、全体のデザインの方向性が似たものを組み合わせるという鉄則は踏んだものとなっています。
・着物1枚と帯3本の組合せへ