クリーニングで手入れをする着物を選んでいた時、全く着ない羽織が目に止まりました。
あまり見捨てられた状態だと生地も劣化するし、良くないな・・・
洗い張りして仕立て直しする事もなさそうだから今回クリーニングの仲間に入れてやりました。
着ない理由はデザインの好き嫌いではなく、寸法。
縮緬の為に縮んだのか、裄が着物と同寸法しかないのです。
そんな羽織ですから、一応手入れするか程度の気持ち。
とは言え、クリーニングでこれ以上縮んだりしたら唯の不用品になってしまいます。
・この羽織の裄はギリギリです。
・丈は縮んでもかまわないので、裄を意識して仕上げて下さい。
発送の時に、念の為その旨を伝えたほうが良いかもと、羽織にメモを挟んで配送しました。
「 縮緬ですので大変縮みやすいお品物ですが、
作業担当者にその旨伝えます 」
とのお返事を頂き、一ヶ月後に作業が完了して戻ってきました。
なんと!!
裄が3分伸びた! びっくり。
こざっぱりした上に、寸法の問題まで解消されるとは思っていなかったので、¥2500のクリーニング代金が猛烈なデフレ価格に感じられました。
羽織やコートの場合、裄は着物よりも2分〜3分長くするものです。
“ そうでなければ着てはいけない ” などの、ルール上の問題ではないのですが、気になる人は気になるものです。
羽織が着物と同寸法だと、ちょっと手を伸ばした時・歩いている時・片側に羽織がずれた時、チラッと着物の袖が見えたり隠れたりする。
たかが1cmくらいの事で着ないなんて微妙かもしれませんが、このチラチラする感じが気に入らないのです。
問題が思ってもみないかたちで解決されたので、早速この秋にでも羽織ってみたいと思います。
縮緬だったから、縮みやすいけれど伸びやすかったのかな?
綸子や紬でも、こんな風に都合よくいくかは疑問ですけど。