一般的に漆はすごくキズが付きやすくて漆器の管理も悩ましいですが、漆で地面を歩くとなればどういうことになるのか・・・
先日一度履いただけで表面がものすごい摩りキズになって少々驚いた! こんなに柔らかいんだ・・と。
さて、『 良いのもを買う・きちんとメンテナンスする・大事に長く使う 』 を子供の頃から徹底教育されてきているので、このキズを放置しておけないし、あと数回履いたらサンドブレスト状態で人前で脱げなくなってしまう。
とりあえず普通の下駄の手入れみたいに同色の顔料を作って塗る方法でキズを隠そうと色々な材料を試すものの、ピカピカした漆と同じ色になる物は皆無。
アトリエで試行錯誤していたら額装に使うアクリル板が目に入った。
この材料も相当キズが入りやすく、包んだ紙でも擦れ傷が入る厄介な代物。
「 そうだ!キズそのものを処理すればいいんだ 」
でも私は蒔絵職人じゃないから漆をコンパウンディング出来る材料は無いので、即ガレージへ直行し、車用のコンパウンドとキズワックスを取り出す。
塗料用の材料を漆に塗ったらどうなるか・・・
とりあえず効き目がゆるそうな『微粒子ワックス/ダーク色用』でチャレンジ。( それでも相当のチャレンジャーですが )
「 これは効く!」 繰返し乾かしつつ研きこむこと30分
写真手前の片方が磨いた後で、奥のは表面に白いキズが残っています。
キズ消し効果があっても仏壇を磨いたり、工芸品に使うのは問題だと思います。
効き目があるのが分かったら、漆のコンパウンドが欲しくなってしまった。
ちなみに奥の畳表の草履は草が切れるので、ケバが出たら楊枝の先に木工ボンドを付けて、繊維の隙間を埋めるように都度大切にお手入れします。